1.AXI-EthernetMAC IPは有償版IPを含む
最近Kria K26 KR260スターターキットで遊んでいます。このボードにはGigabit Ethernet (GEther)が4ポート搭載されていて、その内2つがPS、他方の2つがPL側に接続されています。
PSに接続されているGEtherはハードマクロのためLinuxでそのまま使えるのですが、PLは何かしらのIPを接続しないと使うことが出来ません。私は単なる興味でEthernetMACのIPを使ってみることにしました。
しかし、EthernetMACのIPには無償版でないIPが含まれているため、今回は評価版(Hardware Evaluation)と呼ばれるライセンスを取得してみます。(評価版はIPに動作制限が付きますが、無料で使用できます)
1-1. Xilinx Tri-Mode Ethernet MAC IPの評価版
KR260ボード向けのVivadoプリセットでは、PL-EthernetMACで使用するIPは以下になるようです。
- AXI 1G/2.5G Ethernet Subsystem
- AXI-DMA
1つ目はMACのIPです(データリンク層)。2つ目がMAC-DRAM間転送用のDMA IPでMACとセットで使うようです。そしてキャリアボード上に実装されているPHYはRGMII接続となります。
この組み合わせでビルドしようとしたのですが、途中でライセンスが無いよとエラーが出てしまいました。どうやら、Ethernet Subsystem IPの中に使われている、TEMAC コア(Tri-Mode Ethernet MAC)が必要なようでした。このIPは無償版がありませんのでそのまま使えません。
しかし、評価版としてHardware Evaluation版を無料で試すことが出来ます。約4ヵ月間有効で制約はコンフィグレーション後1~8時間ほどでIPが使用不可になる時限タイマーのような回路が中に入ります。
2.評価版ライセンスキー取得
製品ライセンスページでAMDアカウントにログインします。
右上の”Search Now”ボタンからIPを検索します。Tri-Mode Ethernet MAC, Evaluation LicenseをチェックしてAddを押します。
Tri-Mode Ethernet MACにチェックをいれ、Generate Node-Locked Licenseを押します。
“1 PRODUCT SELECTION”でIPにチェックをいれ、”2 SYSTEM INFORMATION”でVivadoを使うHost PCの情報を入力します(今回は初めてではないので既に選択済み)。
初めてHost IDの設定をするときはPC名、OS種別、MACアドレスが必要になります。
次にNextを押します。
これで準備完了です。ライセンスファイル(.lic)をダウンロードします。橙の枠のボタンを押します。
3. Vivadoにライセンスを取り込む
Vivadoの上部タブ”Help”>”Manege License…”を押してVivado License Managerを表示します。
“Get License”>”Load License”を押し、”Copy License…”ボタンで先程のライセンスファイルを取り込みます。
“Manage License”>”View License Status”を押すと、取り込まれたライセンスでIPが有効になっているか確認できます。Tools/IPタブでIP:Hardware_Evaluationとなっている部分が今回のTri-Mode Ethernet MAC IPの内容になります。
以上で完了となります。一度Vivadoを再起動します。
もし、Vivadoでコンパイルエラーを起こしていた場合、一度、ソースのボードファイル(.bd)上で右クリックして、Reset Output Productsを実施しないと、再度コンパイルエラーが出ます。